『田園の詩』NO.101 「ネコのおかげ」(1999.8.3)


 わが家の3匹の庭ネコ達(家の中に入れず庭で飼っているので私達はこう呼んで
いる)は、相変わらず狩り名人の本領を発揮しています。

 今では、捕まえた獲物を食べることはほとんどありませんが、遠くの山や畑で捕獲
したものでも、必ず自分の生活のエリア(つまり、わが家の庭)まで持って帰ります。
多分それがネコの本性なのでしょうが、狩りの腕前を自慢するかのように、私達に
獲物を見せびらかすのです。

 トカゲ、カエル、モグラ、ネズミなどに混ざって、ヘビもぶら下げて来ることがあり
ます。冬場に多かった鳥類はこのところめっきり少なくなったのでホッとしています。

 反対にモグラを捕まえてくれるので、野菜畑が荒らされる被害がなくなりました。
ネコも少しは役にたちます。


     
    よく登場するわが家の人気者のネコ・クッちゃんが、写真を額に入れて並べていたら、
     じっと見てくれました。(合成ではありません)5匹いるネコは、今は庭ネコから自由に
    家に入れる家ネコになっています。掃除はこまめにしています。(せざるをえません) 
         (09.8.28写)



 時々、ネズミともモグラとも判別しがたい、両者の特徴が混ざったような、極小の
動物を捕獲してきます。「こんな小さな生き物もいるんだなあ。何という名前だろう。」
と女房といつも不思議がっていました。

 そんな折、新聞を見ると、その動物の写真が載っているではありませんか。記事には、
「北海道にだけ生息し、世界で最も小さいほ乳類」、「名前はトウキョウトガリネズミ
だがネズミではなくモグラの仲間」、「体重は2グラム以下、尾を除く体長は4.5センチ」
と書いてありました。

 「これだ。九州で捕獲したとなると大発見だ!」と私は興奮しました。写真と姿は全く
同じように見えますが、計測すると、体重4グラム、体長5.5センチでした。

 「少し大きいようだが?」と思いつつ、以前、自然観察でお世話になったK先生に
電話で尋ねてみました。

 「それは、地ネズミです。詳しく言えばサイゴク(西国)地ネズミ。九州に広く分布
しています。」とのK先生の返事で、私の大きな期待はもろくも崩れ去ったのです。

 大発見が簡単にできる訳がありません。しかし、ネコのおかげで、身近にこんな
かわいくて小さな地ネズミが住んでいたことを知っただけでも、大きな収穫になり
ました。                          (住職・筆工)

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